
【全体】
有効求人倍率:1.19(前年同月:1.25)
新規有効求人倍率:2.17(前年同月:2.27)
【パートタイムを除く常用(契約・派遣など)】
有効求人倍率:1.26(前年同月:1.32)
新規有効求人倍率:2.47(前年同月:2.59)
厚生労働省が発表した2025年12月の雇用統計によると、全国の有効求人倍率は1.19倍と、前月から0.01ポイント上昇しました。新規有効求人倍率は2.17倍で、前月から0.03ポイント上昇しました。東京都の有効求人倍率は1.07倍(前年同月:1.12)、埼玉県は1.09倍(前年同月:1.19)となりました。
埼玉県における人材採用市場は、全国平均と比較して落ち着いた水準で推移し、企業の採用ニーズは引き続き高い状況が続いています。
この背景には、首都圏へのアクセスの良さと、多様な産業がバランスよく集積しているという、埼玉県ならではの特長があります。
2025年12月の求人倍率から見る、東京・埼玉の雇用市場動向
| 地域 | 有効求人倍率(2025年12月) | 前年同月比 | 前月比(2025年11月) |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 1.09倍 | -0.03ポイント | +0.02ポイント |
| 埼玉県 | 1.10倍 | -0.11ポイント | +0.01ポイント |
東京都は前年同月比で0.03ポイント低下、前月比では0.02ポイント上昇となっています。埼玉県は前年同月比で0.11ポイント低下し、前月比では0.01ポイント上昇しています。
前月比では埼玉県、東京都ともに、横ばい基調の中での微増となっています。前年同月比では、埼玉県で特に減少傾向が見られ、埼玉県内の企業においては、引き続き、実効性の高い採用戦略を検討・推進していくことが重要となります。
常用雇用の動き(パートタイム除く)
常用雇用(パートタイムを除く正社員・契約社員など)における有効求人倍率は1.26倍(前年同月:1.32)、新規求人倍率は2.47倍(前年同月:2.59)と、いずれも前年を下回る結果となりました。
これらの数値からは、物価上昇などの影響を受け、企業が採用活動を慎重に進めている様子がうかがえ、このような傾向は、当面続く可能性があると考えられます。
一方で、企業は中長期的な視点での人材確保を重視し、即戦力となる人材の採用に引き続き注力しています。景気動向を見極めながら、人件費への配慮を行うことで、安定した雇用の維持を図る動きも広がっています。特に埼玉県では、製造業の集積地という特性を背景に、技術系の専門人材への需要が徐々に高まっています。さらに、DX化の進展により、従来の製造業においてもITスキルを持つ人材が求められるようになり、採用ニーズの幅が広がりつつあります。
新規求人倍率の変動に見る企業の採用姿勢
新規有効求人倍率は前月より0.03ポイント増加し、2.17倍となりました。この動きからは、企業の採用意欲が持ち直している一方で、求職者側は引き続き慎重な姿勢を保っている様子がうかがえます。
こうした状況を踏まえ、企業には、求職者とのマッチング精度を高める取り組みや、自社の魅力をわかりやすく伝える工夫など、採用活動の効率を高めていく姿勢がこれまで以上に求められています。
埼玉県における人材採用の課題と対策
埼玉県の企業が直面している採用面での課題として、東京都との人材獲得競争が激しくなっている点が挙げられます。優秀な人材は都内企業からも注目されやすいため、給与水準や柔軟な働き方といった条件面を工夫し、他社との差別化を図ることが重要です。また、リモートワークの浸透により、これまで強みとされてきた地理的な優位性が相対的に薄れてきている点も、課題の一つといえます。
さらに、業界特有のスキルを持つ人材の確保が難しくなっている点も見逃せません。製造業やIT関連分野では、技術革新のスピードが速まり、それに対応できる人材への需要が高まっています。その結果、従来の採用手法だけでは十分な人材確保が難しい場面も増えています。こうした背景から、人材紹介会社や派遣会社と連携し、複数のチャネルを活用した採用戦略に取り組む企業が増えつつあります。
効果的な人材採用戦略の構築
有効求人倍率、新規求人倍率ともに前月と比較してわずかに上昇しましたが、採用市場は依然として激しい競争状態を維持しています。企業は、効果的な人材採用戦略として、以下のような観点での取り組みが必要です。
- 採用ターゲットの明確化と、求める人材像の具体的な設定
- 競合他社との差別化要素の整理(勤務条件、職場環境、成長機会など)
- 多様な採用チャネルの活用(直接採用、人材紹介、派遣など)
- 選考プロセスの最適化と候補者への迅速なフィードバック
- 企業ブランディングの強化と、採用情報の効果的発信
- 既存社員の満足度向上によるリファラル採用の促進
求人倍率といった定量的な指標のみでは把握しにくい「選ばれる理由」を明確化することが、採用成果に大きな影響を及ぼします。埼玉県内の企業においては、都心への優れたアクセス性や、地域に根差した事業基盤・企業文化といった特性を的確に打ち出すことが、他社との差別化を図るうえで重要な要素となります。
業界別の採用動向と特徴
埼玉県の主要産業である製造業においては、設備投資および技術開発を加速させる動きが進む中、従来の技能に加えてデジタル分野に精通した人材の確保が、優先課題となっています。IoTやAI技術の本格的な導入により、工場や生産設備のスマート化が求められており、これらの変革を企画・推進し、現場で実装できる人材の重要性が一層高まっています。
物流業界においては、引き続き需要拡大を背景とした人材確保の必要性が高い状況にあります。EC市場の成長や配送ニーズの多様化を受け、倉庫管理やシステム運用をはじめとする業務効率化を担う、高い専門性を有する人材への需要が顕著となっています。さらに、サービス業においても、デジタル接客やオムニチャネル対応など、新たなスキルや対応力を備えた人材を求める動きが広がっています。
人材紹介・派遣会社の活用メリット
現在の採用市場では、専門性を持つ人材紹介会社や派遣会社を上手に活用することで採用活動の効率化が期待できます。期待できる効果を下記に記載します。
- 豊富な人材データベースによる精度の高いマッチング
- 採用プロセスの効率化と時間短縮
- 専門分野に特化した人材の紹介
- 採用コストの最適化
- 紹介予定派遣による雇用リスク軽減
- 市場動向に基づいた採用戦略アドバイス
埼玉県で事業を展開する企業にとって、地域特性や労働市場の動向を的確に把握している人材サービス会社との連携は、採用活動の精度を高めるうえで有効な施策です。地域に特化した採用支援を活用することで、適切な人材の確保に加え、入社後の定着率向上といった中長期的な採用成果にもつながります。
今後の雇用市場予測と企業の対応策
近年の埼玉県の雇用市場では、求人の動きにやや落ち着きが見られ、企業の慎重な採用姿勢は今後もしばらく続くと考えられます。
そのような中でも、採用活動にはスピードと質の両立が求められ、あわせて入社後の定着率向上も重要なテーマとなっています。人材を安定的に確保するためには、研修制度の充実やキャリア形成の支援、働きやすい職場環境づくりなど、総合的な人材戦略が欠かせません。
まとめ
2025年12月の雇用統計では、有効求人倍率は安定した水準を維持する一方、新規有効求人倍率はわずかながら上昇し、企業の採用意欲には着実な動きが見られ、採用姿勢には業種や地域による違いが見られました。都道府県・地域別では、東京都・埼玉県ともに堅調に推移しており、首都圏を中心とした雇用環境の底堅さがうかがえます。
長期雇用を見据えた人材確保の動きは引き続き活発であり、採用市場における競争は一段と本格化しています。企業にとっては、計画的かつ戦略的な採用活動に加え、人材の定着・活躍を見据えた施策を一体的に推進することが、持続的な成長を支える重要なテーマとなっています。
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