
【全体】
有効求人倍率:1.24(前年同月:1.25)
新規有効求人倍率:2.14(前年同月:2.20)
【パートタイムを除く常用(契約・派遣など)】
有効求人倍率:1.16(前年同月:1.14)
新規有効求人倍率:2.01(前年同月:1.99)
2025年6月、厚生労働省より発表された最新の雇用統計によると、全国の有効求人倍率は1.24倍で、前月(1.26倍)から0.02ポイントの低下となった。
また、新規求人倍率も2.14倍で、前月(2.24倍)から0.10ポイントの低下が見られる。また、 東京都の有効求人倍率は1.12(前年同月:1.12)、埼玉県の有効求人倍率は1.21(前年同月:1.16)となった。
全体としては、求人数の多さは維持されているものの、新規の動きはやや落ち着いた印象がある。
2025年5月の求人倍率から見る、東京・埼玉の雇用市場動向
地域 | 有効求人倍率(2025年5月) | 前年同月比 | 前月比(2025年4月) |
---|---|---|---|
東京都 | 1.12倍 | ±0.00ポイント | -0.01ポイント |
埼玉県 | 1.21倍 | +0.05ポイント | -0.02ポイント |
東京都では、前年同月と同水準(1.12倍)を維持しているが、前月(4月)の1.13倍からは0.01ポイント低下している。微小ではあるが、採用活動に若干の慎重さが見られる。
一方で埼玉県は前年同月比で0.05ポイント上昇し、採用意欲の底堅さを示しているが、前月(4月)の1.23倍と比べると0.02ポイントの低下があった。全体的には、両地域とも小幅な変動であり、大きなトレンドの転換は確認されていない。
常用雇用の動き(パートタイム除く)
- 有効求人倍率:1.16倍(前年同月:1.14倍)
- 新規求人倍率:2.01倍(前年同月:1.99倍)
パートタイムを除く常用雇用においては、前年と比較してわずかに上昇傾向が続いている。
契約社員や派遣社員など、正社員以外でも安定した働き方を前提とした求人が一定数出ており、企業側の“即戦力”志向が継続していると読み取れる。
新規求人倍率の低下に見る企業の採用姿勢
新規求人倍率は前月よりも0.10ポイント低下。これは、企業が新規採用に慎重になっている傾向を示している。
人手不足が続いているものの、経済全体の先行き不透明感やコスト増加への警戒感が影響し、採用数の調整に入っている可能性がある。
このような局面では、求人そのものは出ていても、選考基準が厳しくなるという状況が生まれやすい。
【求職活動の視点】変化を見据えた選択
雇用市場が安定を保ちつつも過渡期にある今、求職者には次のような視点が重要となる。
- 勤務地を柔軟に検討する
都内にこだわらず、埼玉やその周辺エリアを含めた広域での仕事探しに切り替えることで、選択肢が広がる。 - 雇用形態に対する先入観を見直す
契約社員や紹介予定派遣などを経て正社員を目指すルートも含め、多様な働き方を前向きに捉える。 - 最新の求人情報を定期的に確認する
求人倍率の変動が表すように、採用市場は流動的。こまめな情報収集が機会損失を防ぐ。
まとめ
2025年5月時点の統計からは、雇用市場全体としては引き続き安定傾向にある一方で、企業側は慎重な採用を進めており、求職者には戦略的な行動と判断が求められるフェーズに入っている。
東京では競争が横ばいで推移している一方、埼玉では新規求人が着実に伸びており、地域によって温度差も見られる。
活動にあたっては、数値の背後にある雇用の動きや、業界ごとの傾向にも目を向けることが重要となる。